作品内容
食糧も何もかもが不足していた戦時中、中岡元少年は両親と四人のきょうだいたちと暮らしていた。平和を強く訴え、それを疎ましく思う町内会長たちに嫌がらせをされても「非国民」と呼ばれても決して屈しない父を元は尊敬していた。時は昭和二十年、日本最後の砦、沖縄はまさに血の海と化していた。死の影は刻々と元たちの住む広島にも近づいていた。
『はだしのゲン』は、中沢啓治によって1973年から週刊少年ジャンプで連載された作品。中沢啓治先生の実体験をもとに、太平洋戦争の末期から、原爆投下、そして戦後の過酷な時代を生きていく主人公・ゲンや被爆者の姿が描かれている。
舞台は、1945年4月の広島。主人公のゲンは国民学校2年生で、父親の大吉は戦争に批判的な態度を取っており、そのため、家族は「非国民」として周囲からいじめられます。そして8月6日、原爆が投下され、ゲンは父、姉、弟を失います。その後、ゲンは生き残った母と新しく生まれた妹とともに、困難な状況の中で生きていく様子が描かれています。
作品データ
作品No. | 099 |
作品名. | はだしのゲン |
作者 | 中沢啓治 |
原作 | |
連載開始 | 1973.25 |
連載終了 | 1974.39 | 巻数 | 10 巻 |
おそらく最も有名な戦争や原爆の悲惨さが伝わる作品ではないでしょうか。ジャンプで連載していたことを知らない人も多いと思いますが、1年半の連載の後、革新市民団体雑誌の「市民」や日本共産党中央委員会の「文化評論」、日教組の機関誌「教育評論」などに連載先が変わっているよ。
作者の中沢啓治は、母親を火葬した際に骨が残らなかったという実体験が、この作品を描くきっかけとなったみたい。
当初単行本は全く売れなかったものの、日教組の機関紙『教育評論』での連載により、1980年代の子供たちの間で『はだしのゲン』が広く浸透することとなりました。
学校でどうどうと漫画が読めるのって『はだしのゲン』くらいだったもんね。