佐久間信彦

週刊少年ジャンプに憑りつかれた40代男性です。「ジャンプアーカイブス」です。懐かしの作品から最新作まで歴代作品を紹介していきたいと思います。

オキナワ

2024/10/10    

本作は、沖縄の本土復帰が決まる前年の1968年を舞台に、アメリカ軍基地と隣り合わせの環境で育った三郎という少年の物語を描いた作品で、作品内では、ベトナム戦争中のB-52爆撃機の飛行や、米軍基地の存在など、当時の沖縄が直面していた問題が描かれています。住民たちの抗議行動や、「日本の沖縄から出ていけ」「沖縄をかえせ」という叫びも作品に盛り込まれています。

本作は連載当時、『週刊少年ジャンプ』のアンケートで当時の看板タイトルだった『男一匹ガキ大将』を抑えてトップに立つほどの人気を博しましたが、連載終了後の単行本は上層部から中止の指示が出され、結果的に集英社からは発売されませんでした。この数年後に中沢先生は『はだしのゲン』を連載開始しています。

球速0.25秒!

2024/10/21    ,

『球速0.25秒!』は野球をテーマにしたスポーツ漫画ですが、通常の野球漫画とは一線を画す特徴があり、『ボブ・フェラーを越える球速の投手』『盲目を克服する強打者』といった超展開が多数あります。そのことから、翌年から連載が開始される遠崎史朗原作の『アストロ球団』と近しい設定があり、アストロ球団のプロトタイプになったとも言われています。

人生二勝一敗

2024/10/21    ,

『人生二勝一敗』は、梶原一騎が原作を担当し、聖日出夫が作画を担当した漫画作品。大学を卒業したばかりのフレッシュな新卒サラリーマンを描いたサラリーマン物語。聖 日出夫先生によるジャンプデビュー作品であり、唯一の作品。代表作には『なぜか笑介』『だから笑介』があり、サラリーマン漫画として知られており、本作品もサラリーマンについての物語であり。

1970たぎり

2024/10/21    ,

「1970たぎり」は、南波健二とさわきかえによって描かれた漫画作品です。1970年に週刊少年ジャンプで連載された短期作品です。本作品は少年誌ながら70年安保を題材とした作品で、機動隊の兄と活動家の弟の葛藤を描いた社会派作品です。70年安保とは、1970年に自動延長された日米安全保障条約をめぐり、日本全国で大規模な反対運動や学生デモが起こった社会現象です。本作以前の話ですが、作者の南波健二先生は、さいとう・たかを先生の弟子となり、さいとうの貸本時代の代表作「台風五郎」の執筆にも大きく関わってたといいます。その後自身で「南波プロダクション」を立ち上げ「タックル猛牛シリーズ」「コンバット・アクションシリーズ」などの貸本マンガのヒット作を飛ばしています。

ケッパレ! 太田投手

「ケッパレ! 太田投手」は、水島新司と五十嵐幸吉が漫画を担当し、夏木信夫が原作を務めた実在のプロ野球選手である太田幸司投手を主人公にした実録漫画です。水島新司はのちに「あぶさん」や「ドカベン」で大ヒット作送り出しています。太田幸司は、高校時代に甲子園で45イニングを1人で投げ抜いた「元祖・甲子園のアイドル」として知られる選手でした。1968年のドラフト1位で近鉄に入団し、その人気は凄まじく、近鉄の本拠地球場では女性用トイレを増設するほどだったそう。他にも寮を訪ねてきたファンにチームメイトが「太田はパチンコに行った」と言うと、近くのパチンコ屋が瞬く間に女性ファンで一杯になるほどだったとか。この漫画が女性ファンにどれだけうけたかはわかりませんが、今の大谷ブームで漫画化されたとしたら女性ファンは漫画買うのかな?笑

涙の逆転ホーマー

2024/10/8    ,

『涙の逆転ホーマー』は、眉月はるなによって描かれた野球漫画です。この作品は1970年に週刊少年ジャンプの16号から18号にかけて掲載されました眉月はるな先生は、1969年に少年画報社の「少年画報」でデビューし、1970年には週刊少年ジャンプに初の連載『アニマル球場』を発表しています。『涙の逆転ホーマー』はアニマル球場連載中に短期連載された作品です。

悪魔くん千年王国

2024/10/8    

『悪魔くん千年王国』は、水木しげるの貸本版『悪魔くん』のリメイク作品です。原題は『悪魔くん復活 千年王国』でしたが、単行本化の際に『復活』の部分が削除されています。『悪魔くん』はまだ一般的でなかったオカルトや魔法といった世界観を取り入れた作品です。また、『悪魔くん 世紀末大戦』は貸本版『悪魔くん』の正式な続編であるが、『千年王国』とはパラレルな関係にあります。

あらし!三匹

サルビア学園という中学校では、男番長の殿山大介と女番長の桜枝ゆかりが勢力を張り合っており、そこに日米ハーフの金髪の少年ロック梅里が転校してきます。ロックは貿易会社の御曹司で、陽気で好奇心旺盛な性格の持ち主でロックは転校初日に殿山と柔道対決で衝突し、物語がスタート。本作は『ハロー! ジュリー』でデビューした池沢早人師先生(当時は池沢さとしの筆名)の2作品目。当時としては16巻と長期連載となった。『あらし!三匹』の連載終了後、池沢さとし先生は自動車関連の漫画を多く手がけるようになり、1975年から連載された『サーキットの狼』で大ブレイクします。

暗黒列島

2024/10/8    

『暗黒列島』は、実際の歴史的事件である下山事件を題材にした作品です。下山事件は、1949年7月5日に国鉄総裁の下山定則が失踪し、翌日に東京都北多摩郡国分寺町(現在の国分寺市)の中央線線路上で遺体で発見された事件です。

ワースト

2024/10/8    

『ワースト』は小室孝太郎が1970年から1971年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載した作品です。前年のデビュー作『トワイライト・ゾーン』に続き連載された本作品は小室孝太郎の代表作として知られています。『ワースト』はSF漫画の草分け的存在として評価されており、当時としては珍しく数十年にわたる人類とワーストの戦いを3部で構成されており、その都度主人公が変わるという、非常にユニークな構成をとっている。